姫路の繁華街に「西二階町」というアーケード街がございます。江戸時代から参道として栄え、まわりは平屋なのにこの通りだけは二階建ての商家が並んでいたことから、その名がつけられたそうです。近年の大型ショッピングセンターの進出のあおりで、ここもシャッター街となりかけたのですが、危機感を募らせた街の人々が知恵を出し合い、新たな名所を作りました。それが「七福座」というイベントスペースです。
空いた商店の一つを改装して作った、こじんまりとしたスペースですが、ここでさまざまなイベントを行うことで、商店街全体を活性化しようというわけでございます。近隣の地域で採れた野菜の直売、絵本の読み聞かせ、紙芝居、そして大阪から落語家や芸人を招いての演芸と、多彩なイベントを行っているのです。
で、今日は「七福寄席」という、大阪から落語家お二人を招いて行う、月一回の寄席の日でした。じつはわたくし、落語は好きでして、とはいっても知ってる落語家は有名どころのみ、知ってる噺も有名どころだけで、このうえなくヌルい落語ファンですが、ここ一、二年は、東京や大阪に行く機会があれば、時間を作って寄席や演芸会に足を運んでおります。
で、今日はちょうど昼間の時間があいていたので、1時限目の授業が終わるやいなや、西二階町に駆けつけました。アーケードに入ると、あちこちから出囃子の音が鳴り響きます。商店街を挙げて寄席の宣伝をしているんですね。ちょうど開場時間ぎりぎりに「七福寄席」にたどり着くと、すでに20人ほどの人が並んでいます。私もチケットを買って列に並び、入場しました。定員は120人、開演前にはほぼ満席となりました。
今日の出演は月亭八斗と笑福亭仁昇。若手の八斗さんが先に出て、勢いのある話しぶりで会場を暖めます。噺は「動物園」。移動動物園の虎の代わりを務めることになった、どこかヌケた若者の話です。お次は(二人の場合でも「トリ」といっていいのでしょうか)仁昇師匠。こちらはベテランらしく、緩急自在の話術で会場を爆笑の渦に巻き込みます。噺は「手水廻し」。田舎の宿屋の主人たちが、大阪の客の「手水を廻してもらいたい」というのが理解できず…というお話。しかし噺に入る前の、大阪弁にまつわるマクラでもうお腹いっぱいでした。私の斜め前に坐っていたご婦人なぞ、まさにお腹を抱えて二つ折りになって痙攣してましたから(いや、腹痛じゃなくて)。それから、「これ、チャウチャウちゃう?」「いや、チャウチャウちゃうんちゃう?」「ちゃうちゃう!チャウチャウちゃう!」を生で聞けるとは思いませんでした。
すっかり笑い疲れて、軽い虚脱状態になりつつ、大学に戻りまして、大学院の会議に出席しまして、おかげでまた現実に引き戻されてしまったわけですが。今後も時間がとれれば、なるべく足を運びたいと思いつつ、名古屋に帰ってきたのでした。
そういえば、名古屋の大須にはかの有名(?)な「大須演芸場」があることを思い出しましたよ。一時期は閉鎖の噂も流れましたが、最近また持ち直したようですね。5月3日、4日には三遊亭円丈師匠の独演会をやるそうなので、行ってみましょうか。
大須演芸場といえば、古今亭志ん朝師匠が1991年から2001年に逝去するまで、毎年独演会を行っていたそうで、その貴重な録音のCDボックスが出るそうなんですが…高いなぁ…ボーナスが出たら考えよう…
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ブログにも書いていただき、ありがとうございます。
前説していたのが私です。
また次回、ご来館いただいた時には、よろしければお声掛けください。
またのご来場をお待ちしています。
ありがとうございます。
(^.^)
コメントありがとうございます。その節はどうもお世話になりました。大変楽しいひと時でした。
今年後半は水曜午後に仕事が入っているため、なかなか時間がとれないのですが、なんとか時間を作ってまた伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。