2012年08月28日

上海旅行記C微食倶楽部

 もう八月も終わるというのに、暑い日差しが一向に衰える兆しがない今日この頃こんにちは。

 さて今回は上海旅行の往復でお世話になった、中国南方航空の機内食についてご紹介。
最近は機内食も、各航空会社で工夫を凝らすようになったようで、味のレベルを高めたり、民族料理ふうにしたりと、いろいろあるようです。こちらの「機内食ドットコム」に行くと、世界各地の航空会社の機内食を見ることができます。

 で、中国の航空会社の機内食というと、やはり中華料理の特色を生かした…とはいいきれない、なかなか微妙なものが多いように感じます(年1回ぐらいしか乗っていないので、あまり偉そうなことはいえないのですが)。国内便の機内食だと、「チキンorフィッシュ?」と聞かれる代わりに、「饭还是面?」(ごはんor麺?)と聞かれ、ドキドキしながら「麺」と答えると、渡された保温容器の中には、すっかりのびた炒麺(焼きそば)がみっちりと入っていたり、というのを去年体験しました。だから今回、南方航空の機内食も、とりあえず「麺」と答える心づもりをしつつ、期待せずに待っていたのです。

 で、水平飛行に移り、機内食が配られ始めます。キャビンアテンダントさんがにこやか…でもなかったけど、一人ひとり機内食を手渡します。そしてこちらに向かって一言、「Japan?」
…あれ?「麺」じゃないの?と思う間もなく、保温容器と紙容器が手渡されます。軽く意気消沈しつつ、保温容器を開けてみると、なんと梅干しが真ん中に埋まった白飯がでてきたじゃありませんか。「?」と思いつつ、紙容器を開けてみると、なんだか旅館の朝ごはんのようなおかずが鎮座ましましています。ふたの裏側になにやら書いてあり、見ると、以下のような文面が。

「…お客様がより快適に、お食事を楽しんでいただけますよう、スタッフ一同試行錯誤を繰り返し今回の食事を作りました。コンセプトとして、和食は温泉旅館の朝食を、洋食は名古屋独特である喫茶店のモーニングをイメージ致しました。…」

おぉ、なかなかやるではないか、南方航空。お味のほうも、しっかりとした和食で、美味しくいただきました。ちなみにメニューは鯖の塩焼き、ミートボール、根菜の煮物、いんげんの和え物、温泉卵、漬物、納豆…納豆?
いや、私は納豆好きだから異論ないんですが、機内食に納豆というのはなかなかないような。食事の時間中、機内にそこはかとなく納豆のにおいが漂っていたのもいい思い出。あと、「名古屋独特である喫茶店のモーニング」も気にかかる…「名古屋モーニング」については、こちらを参照。

 で、上海でさんざん美食倶楽部を堪能したのち、夕方の便で帰国したのですが、行きの便で上記のようなすばらしい機内食が出されたのだから、帰りもやはり期待はするわけです。その日の昼は生煎包をたらふく食べて、空港ではビール飲んだぐらいだったので、今日は機内食をしっかり食うぞ、と意気込んで搭乗したわけです。さて水平飛行に移り、キャビンアテンダントさんが順番に機内食を配ってまいります。そしてこちらを見て、ひとこと「チキンorフィッシュ?」…あれ?

 ええ、手渡されたのは、鶏肉の炒め物がぶっかけられた白飯(保温容器入り)、野菜の炒め物とパンとプリンのようなデザート(紙容器入り)でした。「お客様がより快適に、お食事を楽しんでいただけますよう、スタッフ一同試行錯誤を繰り返し」たのは、日本発の便だけだったようです。やるな南方航空。でもごはんとパンを一緒に出すのはやめてください。
タグ:中国
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2012年08月26日

上海旅行記B美食倶楽部その2

 またつい更新を忘れそうになりますが、旅行(食事)の記憶が薄れぬうちに、とっとと更新していきましょう。

 21日(火)昼:湖南郷村風味
その名の通り、湖南料理の店。湖南料理といえば、四川料理、貴州料理と並んで中国三大辛い料理として有名です。「四川人不怕辣,湖南人辣不怕,貴州人怕不辣」(四川人は辛いのを恐れない、湖南人は辛くても恐れない、貴州人は辛くないのを恐れる)ということわざ(?)もあるくらいで。今回は、辛いのと辛くないのといろいろ注文したのですが、辛いのは、ええ、本気で辛かったですよ。ビールがまぁよく進むこと。いや、もちろんどれもおいしかったです。何を頼んだかは聞かないで…

 22日(火)夜:孔乙己酒家
前々回でもちらっと名前を出しましたが、文廟(孔子を祀る廟)の近くにある紹興料理の店。この文廟周辺は、近代化著しい上海にあって、昔の雰囲気を残している数少ないエリアのようです。なにせ、ホテルからタクシーに乗って、「文廟の近く」と行き先を告げたら、運転手さん、「文廟だって?あそこは道が狭くて、車じゃ入っていけないよ!無理無理!」と言いだし、しまいに「あそこに行く人なんていないよ!」とのたまう始末。じゃあなんで有名な料理屋があるんだよう、とツッコんだら、「あぁ、そうねぇ…」と弱気になりつつ、着くまでずっと「無理だよ、入っていけないよう」と嘆いてました。あまり嘆くので、「文廟街門楼」という、文廟につながる小路の入り口で降ろしてもらったんですが、たしかに車で入るのはちょっと難しい狭さ。しかし入れないわけではないし、人だってたくさん歩いてるじゃないですか。

 ともかく店に到着、ここではメンバーKさんが「ぜひ臭豆腐を食べたい」ということで、揚げたのと蒸したのと二種類、そして「孔乙己」といえば「茴香豆」(ういきょうまめ)でしょう、ということで注文したら、なんと「茴香豆」は売り切れ。ほかに豆はないか、ということで、生落花生の醤油漬け、茄子を割いて蒸したものなど。そして本日のメインイベント(?)、紹興酒。江南では娘が生まれると紹興酒を醸して壺に入れ、庭に埋め、その娘が成人し結婚するときに掘り出して祝宴で開ける、という風習があったそうで、そのくらいじっくりと寝かして熟成させるお酒です(だから「老酒」とも呼ばれる)。で、ここには数年寝かしただけのものから、5年、10年、15年、20年、30年、そして30年以上寝かしたものまで各種そろっているのです。

 今回は、せっかくなので30年物を注文。これがもう素晴らしいのなんのって、素晴らしいことこのうえなし。普通の紹興酒にありがちな雑味がまったくなく、甘くふくよかな香りと味わいで、すいすい飲めてしまいます。これと落花生や臭豆腐がこのうえない合いっぷりで、飲んで幸せを感じます。で、最初に頼んだ酒がカラになりまして、次に20年物を頼んでみたのですが、やはりランクを落としてはいけませんね。最初に20年物を飲んでいれば、これも感動ものだったのでしょうが、やはり30年物のあとでは、わずかな雑味が感じられてしまいます。酒注文係として、後悔しきりでありました。

 23日(水)昼:豊裕生煎
 昨晩の夜の部は、同じ仕事仲間で、上海に里帰りしていたHさんも合流して、楽しく飲んだのですが、Hさんいわく、「上海に来たら、生煎包(ションジェンバオ)を食べなきゃだめですよ」。というわけで、リーダーNさんがさっそく、ホテル近くの生煎包の店を探し出し、昼に突撃、とあいなったのでした。

 ここはチェーン店で、上海市内に何店舗かあるようです。まったく庶民の店で、留学してた頃にはよくこういうお店で食べてました。行ったのがちょうど昼時で、もう満員どころが人が入り口まであふれかえっている状態。ただここは持ち帰りもあり、またファーストフード的感覚で、さっと食べてさっと出ていく客が大半なので、しばらく店内で陣取っているうちにテーブルを確保できました。注文したのは、メインの生煎包と、やはり上海名物の「小籠包」(シャオロンバオ、いわゆるショーロンポー)、海鮮ワンタンスープ、酸辣湯(酸っぱ辛いスープ)、鶏鴨血湯(鳥の血などで作ったスープ)など。生煎包は底がカリッと焼きあげられ、中は肉汁がたっぷりで、口の中火傷しそうになりながらも、美味しくいただきました。各種スープもそれぞれおいしかったのですが、三種類は多かったようで(とくに酸辣湯は2,3人前はあった)、残念ながら残してしまいました。

 そういうわけで、ここ数か月は節制して徐々にしまってきていたウエストが、またすっかりゆるんでしまいました。次回は、番外編として機内食など。
タグ:中国 上海
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2012年08月24日

上海旅行記A美食倶楽部その1

 二日ぶりですこんにちは。さて上海旅行記の続き。
 
 とはいえ、閔行区博物館で収穫があったほかは、あまり大きな動きはしていませんのだ。とりあえず、二日目午後以降の行動を羅列してみましょう。

21日(火)午後:上海音楽学院に博物館があると聞き、学院を訪問→博物館は別の場所に移転、探し当てるもすでに閉館時間orzそして開館日は火、木のみorz
22日(水)午前:上海博物館訪問。だだっ広いので、青銅器、彫刻、絵画の展示室のみ回る。十分見ごたえあり。博物館近くの福州路にある本屋を冷やかそうと思って外に出たら、大雨。とにかく福州路に向かうが、博物館から一番近い上海書城で力尽きる。民族音楽のCD数枚購入して終了。
22日(水)午後:夕方初の帰国便に乗るため、空港に移動。

なんだか時間を有効に使っていない雰囲気がバリバリとするのですが、そのわけはと申しますと、今回の旅行は4人組でありまして、基本食事以外は自由行動でありました。で、この旅行を企画したリーダーNさんが、食事についても子細に情報収集していらして、毎回めちゃめちゃ美味しいところに案内してもらったのでした。そしてそういうところでは話も弾み、また時によっては上海在住のゲストの参加もあったりで、食事にかける時間がずいぶん長くなったのでした。

 では、どのようなところで食事をしたのか、また時間軸に沿って羅列していきましょう。

20日(月)昼:茂隆餐厅
リーダーNさんと私は午前に上海着、あとの二人は夕方着だったので、雷雨の中Nさんに連れられて入った、ホテル近所の上海料理店。テーブル5脚ほどの小さい、庶民的な店ですが、「紅焼肉」(豚の角煮)が有名で、昼食や夕食時には長蛇の列ができ、ときには高級外車で乗り付ける客もいるという話。我々が入ったのは1時過ぎで、ちょうど昼の客が出払ったあとだったので、すんなり席に着くことができました。紅焼肉、貝のニンニク炒め、空心菜の炒め、冬瓜とスペアリブのスープなど頼みます。ビールを飲みつつ待っていると、まず紅焼肉が。これが絶品!甘すぎず、肉はトロトロで脂っこくありません。貝の炒め物も、ニンニクをふんだんに使っているせいか、貝の苦手な私がけっこうな数をいただきました。冬瓜のスープも感動もの。Nさんと二人で、まさに舌鼓を打ちつつ、雷雨がやむのをまっていたのでした。

21日(月)夜:夏味館
夜は夕方組の二人と合流し、四人でタクシーにて西へ。この「夏味館」も上海料理のお店で、「翡翠麵」(ホウレンソウを練りこんだ緑色の麺に、カニみそとエビで作った餡をかけた麺料理)で有名だそうです。今回は「翡翠麵」以外に小皿料理でいろいろ頼んだので、よく覚えていないのですが、いずれも抑制のきいた、飽きのこない味付けで、ついつい箸を出してしまいます。じつは私、カニみそとか苦手なのですが、「翡翠麵」の餡は火を通してきちんと味を付けていたせいか、あまり苦になりませんでした。そういえば、ここでも冬瓜とスペアリブのスープを頼みましたが、昼の「茂隆餐厅」が庶民的な味とすれば、こちらのは洗練された味わいで、もちろん美味しくいただきました。

 しかし、料理の味について説明しようとすると、どうしてもどっかで見たような文章になってしまうのが、癪であります。おおむね私の説明はあてにならないので、リンク先を見ていただき、さらに上海に行って実地に味わってみていただきたく。

 そして二日目以降の美食倶楽部(?)は、次回のお楽しみに。
タグ:中国 上海
posted by TMR at 22:01| Comment(0) | 日々想